Apr 24, 2016

Midsegment Theorem

三角形の2辺の中点を結んだ線分をmidsegmentといい,midsegmentがもう一つの辺と平行で長さが半分であるという定理がmidsegment theoremで,midpoint theorem(中点定理)ともいい,日本の中学数学3の教科書では中点連結定理と呼ばれています.直訳するとmidpoint connector theoremとなりますが,この表現はあまり使われていません.かといってmidsegmentの方も適した日本語訳はありません.

他にもsegment in triangle(三角形の中にできる線分)は,このmidsegment以外にもいろいろあり,特に次の4つは有名で,special segments in triangleとして紹介されます.
①median(中線)… 頂点とその対辺の中点を結んでできる線分で,それらの交点はcentroid(重心)になります.
②altitude(垂線)… 頂点から対辺に垂直に降ろした線分で,それらの交点はorthocenter(垂心)になります.
③angle bisector(内角の2等分線)… 内角を2等分する線分で,それらの交点はincenter(内心)になります.
④perpendicular bisector(垂直2等分線)… 辺の中点を通りその辺に垂直な線分で,それらの交点はcircumcenter(外心)になります.
このうち上の3つは,三角形の頂点から対辺に降ろした線分Cevian(チェバ線)の一種でもあります.

日本の中学数学3の教科書には中点連結定理の応用として,「任意の四角形の各辺の中点を隣同士順につないでいくと平行四辺形になる」ことを証明するという問題が必ずあります.この定理をVarignon's Theoremといい,この平行四辺形をVarignon parallelogramといいます.四角形や四面体の対辺の中点同士を結んでできる線分をbimedianといいますが,これはVarignon parallelogramの対角線に当たるので,互いに他を2等分します.

さて,三角形のmidsegmentを3本引くと4つの三角形に分かれます.その中央だけを抜いて残りの3つにまた同じことをして繰り返すと,図のようなSierpiński triangle(またはSierpiński gasketまたはSierpiński sieve)と呼ばれるfractal(自己相似)図形になります.
長さ$\frac{1}{m}$の相似図形がn個残る場合のfractal dimension(フラクタル次元)はlogmnと定義されます.従ってこの場合は,長さ$\frac{1}{2}$の相似図形が3つ残りますから,Sierpiński triangleのfractal dimensionはlog23=1.584962501...≈1.58となります.

【Midsegment Theorem 問題】
Find the fractal dimension of Cantor set and Koch curve.
(解答はこちら

<Reference>
Varignon's Theorem
http://mathworld.wolfram.com/VarignonsTheorem.html

Pierre Varignon (1654–1722) French mathematician

Bimedian
http://mathworld.wolfram.com/Bimedian.html

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